なぜEAPのデザインはちょいダサなのか?
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なぜEAPのデザインはちょいダサなのか?

Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains

シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしいときがある。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。

- Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ) -

弊社のランディングページや、プレスリリースでEAPの画面デザインを見られた方の多くは、このような感想を抱かれたのではないでしょうか。

「なんか地味」「よくあるやつ」「もっとかっこいいのが良い」

メンタルがあまり強くないので、自分で書いていて少し落ち込んで来ましたが、どれも正しく的を射た感想かと思います。

確かに、デザイン雑誌やボードサイトで取り上げられるような、美しく、クールで斬新で、触っているだけで気分が高まるような、素晴らしいアプリが世の中には沢山あります。

それらと比べるとEAPのデザインはビジュアル面では少し見劣りしてしまう、言ってしまえば「ちょいダサ」に見えてしまうかもしれません。

「おいおい、パンフレットでは『洗練されたUI』を謳っておきながら、それはないんじゃないの?」

と言われてしまうかも知れませんが、実はその「ちょいダサ」こそが、我々が考える「アプリを作る目的」と「プラットフォームとして求められる本質」を見つめ続けた結果としての「EAPのデザイン」である。と言う事を今回はお話しさせていただきます。

突然ですが良いデザインってなんでしょうね

皆さんはデザインと聞いて、何を連想されるでしょうか。

「なんかカッコいいやつ」「他にはないとがったユニークさ」「流行に乗っ取ったもの」「使いやすさ」「昭和感」「理解しがたいもの」

きっと答えは人それぞれだと思いますが、漠然と「デザインとは他と差別化するためのかっこよさ」と言うイメージをお持ちなのでは、と思います。

確かにかっこよいことは大きな力を持っていて、例えばAppleのデザインなどは新製品の発表後、他社もこぞって真似し始める現象が毎度発生します。

初代iMacのスケルトンデザインや、Power Mac G5のアルミ削り出しのシンプルなデザインなどは、猫も杓子もという感じで、PC周辺機器からペット用品に至るまで本当によく流行りました

ただ、道具として見た場合の用途において、そのかっこよさは機能性よりも優先されるべき物なのかは疑問です。

商業的には目を引くデザインにする事で売上げが上がる効果はあるのでしょうが、トランスルーセントな素材は壊れやすくなったり、アルミの削り出しは精度が出せずに、見た目だけ塗装で真似した結果かえって安っぽくなってしまったりと、総合的に商品としての魅力はマイナスであると言わざるを得ません。

ただし、これらはあくまで「道具」として見た場合の懸念であり、そこにプレミア感や所有欲を満たす情緒的な魅力を加味した場合、判断基準は変わってきます。

時には、まったく実用性のない形状こそが本質であったり、他の人から理解されにくいことこそが美点であったり、とデザインの良し悪しは、何をもってその価値とするかの視点によって変わってくるものなのです。

じゃあEAPの価値ってなんなのよ

多くのビジネスにおいてスマートフォンアプリはもはやあって当然と呼べる時代になりました。

ビジネスが すでに軌道に乗っており、次の一手を思案した際に「うちもそろそろアプリを作るか」と考えている担当者の方も多いと思います。

それでは

「なんのためにアプリを作るのですか」
「それはアプリである必要があるのですか」

この2つの問い対する答えはお持ちでしょうか?

弊社はアプリ制作を主業務としていますが、プロジェクトに臨む際には、常にこの2点から考えるように心がけています。
まだ明確な答えをお持ちでないクライアントに対しては、一緒に考え、結果としてアプリ以外の解決策を提言させていただくこともあるかも知れません。

アプリである必要があり、かつ作る目的があるからこそアプリを作るのであって、
アプリである必要もなく、ただ作ることを目的としたアプリは作られるべきではないのです。

アプリを持つことがある種ステータスであり、アプリの一つもないと恥ずかしいから、と言う理由から
ただのスキンの着せ替えで作られたような量産アプリはAppleによってほぼ淘汰されましたが、目的を課せられず、また果たせずにただ放置されているアプリもまだまだ多くあります。

EAPは、その「アプリである必要」と「目的を果たすこと」を見失わず、かつ柔軟に道筋を立てられるように
ユーザーに対してアプリならでは体験を提供するための機能とアプローチ手段、さらにそれを深めるための拡張性を考慮してコアとなる部分を抽出し、磨き、集積した プラットフォーム=建築土台 です。
パッケージ化されていることで、アプリに求められる本質的な役割をブレずに全うできる、それがEAPの強みであり価値と言えます。

ようやくデザインの話

ようやくここでデザインの話です。

EAPは前述の通り、本質的にアプリに求められる部分を凝縮するのに注力しています。
それなのに見た目に関しては非常にシンプルで味気のない「ちょいダサ」風味になっているのはなぜでしょう?
アプリの見た目は本質じゃないの?

そんなことは思っていません。

こうなっているのには、いくつかの理由があります。

  • 追加開発の拡張しやすさのために、なるべくOSの標準コンポーネントを使用しているから
  • 開発に時間の掛からぬよう、使用するリソース(アイコンなど)を共通利用しているから
  • 不特定の業界での利用を念頭に、ベースを平均的なトーンとしているから
  • 不特定のターゲットユーザー層を考慮して、極大のユーザビリティを考慮しているから
  • iOS/Android両OSのアプリでアプリ体験が大きく変わらないように考慮しているから
  • アプリはまず「使う」ことに第一の目的を置くべきだと考えるから
  • デザインについては、機能と切り離して作り込む幅を持たせるべきだと考えるから

言ってしまえば、EAPのデザインとは真っ白なキャンバスを飾る額のようなものです。
何を入れても価値を崩さないために必要な制限を持ちながらも、最大限の余白を残し、書き手のイマジネーションを阻害しないように作られているからこそ、実用性と存在感は保ちつつ主張し過ぎない「ちょいダサ」となっているのです。

もちろん、とは言ってもクライアントのトーン&マナーを反映できるよう、手軽に導入する際に便利な最低限のカスタムでテーマに沿った見た目に替えられる「イージーカラーカスタム機能」をご用意していますし、カスタムでの作り込みでより情緒的な訴求を高めることもできます。
まだ道半ばではありますが、ゆくゆくはもっと自由で高度なテーミング機能を実装したいと日々開発を進めています。

デザインの話と銘打っておきながら、ほぼポリシーの話に終始しましたが、我々にとってデザインもアプリの役割を果たす、と言う信念の上では、機能と同じくらい重要なものとして考えている。ということが伝わりましたら幸いです。

訳ありちょいダサのEAP、皆さまの手でイケてるアプリにしてみませんか?

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