ソーシャルログインと新規登録について考える
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ソーシャルログインと新規登録について考える

唐突ですけどソーシャルログイン、便利ですよね。「Twitterでログイン」とか「LINEでログイン」とかボタンが用意されてるアレです。

もちろん簡単にログインしてすぐサービスを使いたいのに通常の登録と全く変わらないクソ長い登録フローが始まって何だよ普通の会員登録と全然変わらねえのかよソーシャルログイン意味ねえじゃんって感じになったり、ソーシャルログインしようと思ったら「そのアドレスは登録されています」とか言われてそうじゃねえよ前に登録したかどうかとか覚えてねえから登録あるんだったら紐付け連携するように案内しろよまったくもうとか思わなくもない便利じゃないソーシャルログインもたまにありますけど。そういうのって稀ですよね(白目)。

最近口が悪いと言われがちな篠キチです。人相が悪いのは生まれつきです。こんばんは。

 

ただソーシャルログインって普通に使ってるときはいいとして、スマホの機種変更後とか期せずして再ログインが必要になったとき困りませんか?

※これはミクチャの新規登録画面です。

機種変したあとってだいたいのアプリやWebサービスがこうなるわけです。そこでこんな感じに複数のSNSログインボタンを提示されて、さあどれですか? と言われたところで、どのSNSアカウントでログインしたのかなんて全く思い出せねえですよ、こちとら初老なんで。

当たり前の話ですがこれログインしてない状態なので、自分が以前どのSNSアカウントでログインしたかなんて教えてくれないわけです。ようするに「あんた誰?」って言われてるのと同じですから。

 

方法として、SNS側の設定を1つ1つ調べればどのSNSと連携したかはわからなくもないですが

Facebookアプリ
[設定とプライバシー] → [設定] → [アプリとウェブサイト] → [Facebookでログイン] → アクティブや有効期限切れの一覧から探す

Twitterアプリ
[設定とプライバシー] → [アカウント] → [アプリとセッション] → 一覧から探す

LINEアプリ
[友だち] → [設定] → [アカウント] → [連動アプリ] → 一覧から探す

Yahoo! アプリ
[その他] → [プライバシー] → [プライバシー設定] → [各アプリケーションでのデータ利用] → 一覧から探す

Googleアプリ
[設定アイコン] → [ログインとセキュリティ] → [アカウントにアクセスできるアプリ] → [アプリを管理] → 一覧から探す

…という具合で、あるかどうかもわからない情報をこんな手間暇かけて誰が探すのかと。
※ 上記の情報は2018/8/31時点のものです

という状態になったとき、人はとりあえず適当なSNSアカウントのボタンを押してしまうわけです。ポチッとな(ボヤッキー

 

SNSアカウントで副アカ作らせるのはまずい

このとき運良く正解ならラッキーです。♪ああ〜よかったな〜 と思わず口ずさみたくなります。

しかしハズレだった場合にそのまま新規会員登録フローに乗せてしまうサービス、実際多いんですがこれはまずいんじゃないかなと最近思っています。だって、本当に新規のユーザーなら確かに便利なんですが、ソーシャルログインに失敗した人って新規登録希望なわけなくないですか?

少なくとも本人がアカウント持ってる認識があって、よく覚えてないけどとりあえずソーシャルログイン試みてSNSアカウントボタンを押したと推測されるので、その人を新規登録に誘導するのはサービス側の対応としてまずいんじゃないかと。

通常、ユーザーが望んでいるのはログイン手段が何のSNSアカウントだろうと、自分が普段使っているアカウントにログインしたいというその1点のはず。意図的にSNSアカウントで副アカ作ってる人以外は、1つのサービスで使うアカウントは1つで十分なわけです。ソーシャルログインは簡単に登録・ログインできるようにすることが目的であって、複数登録できるようにしたいとは普通思わないんじゃないでしょうか。

サービス運営側だって副アカをバンバン作らせたいと思ってるわけないし(登録ユーザー数がKPIになってて、それでバンバン給料上がるなら別ですが)、ログインしたSNSごとにアカウントが分かれる事態を誘発するフローは明らかにスジがわるいと思うわけです。

 

SNSアカウントによるログインと新規登録は明確に分ける

まずソーシャル“ログイン”をしようとして失敗した場合は、そのアカウントでの新規登録はさせない。少なくともそういうフローには乗せない。そのためには新規登録とログインは明確に入口を分ける必要があります。

そして、ログイン中になるべくたくさんのSNSアカウントを「連携」してもらう。それによって、連携しているSNSアカウントならどれを使っても同じアカウントにログインできる状態を作る。そうすることでユーザーが自分のアカウントを忘れてしまっても、どれか1つでもSNSアカウントを覚えていればログイン可能になり、ユーザーのストレスは大幅に軽減されるでしょうし、おそらくサービス運営側のサポートコストも下がるはずです。

毎度例として挙げているMUJI passportですが、このアプリの場合は基本的に自動で発行されるメインのアカウントにいろんなアカウントを連携できるようになっていて、連携するたびにマイルがもらえる仕組みになっています。これによってユーザーは思いつく限りのアカウントを連携してくれるようになり、機種変更したときなどのアカウントへの再ログイン(復元)が連携アカウントの利用で非常に簡単にできるようになっています。おそらく様々なSNSアカウントとの連携状態を把握することで、マーケティングにも活用しているはずです。

 

ソーシャルログインはユーザーにもサービス運営側にも便利ですが、ここの設計や登録フローをいい加減にしてしまうと、あとあとアカウントの整理や管理が大変になります。ソーシャルログインがサービスに後から追加されたとき、ユーザーが新しいほうのログイン方法に変えたいと思う場合もありますし、極端な例を出せばそのソーシャルログインの元のサービスが終わってしまうことだってあるわけです。そういった将来的なことも見据えたサービス設計をしておきたいものです。

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篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。